根管治療と「歯の価値の感じ方」

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今から18年前は歯が白かった……20歳の時の俺↑

「30年前に治療した、折れた前歯の根っこ」が腐っているらしい。これまでの定期検診(レントゲンで経過観察)でいろいろな歯科医と相談してきて、症状も出ていないのでとりあえずは様子見としてきたが、少し違和感が出てきたので治療することになった。

結構難しい処置が必要らしく、1%でも成功する可能性を上げたいので、マイクロスコープやラバーダムなどを使用する最新の治療が受けられる、大阪大学の歯学部を紹介してもらった(こういう時に大阪に住んでいるありがたさをしみじみと感じる。阪大病院まで40分くらいの距離に住んでいるが、何時間もかけて他府県から来る人もいるようだ)。

大学病院で歯科治療を受けるのは、16歳の時に生える前の親知らずを近畿大学で抜いて以来。

大学病院ではなるべく腕のいい先生に担当して欲しかったが、定期検診に通っている歯科医は「担当医の指名までは出来ない」と言っていたので、ネットで調べ、気休め程度かも知れないが、「日本歯科保存学会の認定医」の資格を持つ先生が出勤してる日付を直接問い合わせ、その日に初診を受けるようにした(初診は予約不可)。

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前歯の症状 根管治療

診察結果は根が腐っていて、しかもそれが他の健康な歯の神経まで侵食している可能性があるとの事だった。それが原因で漠然とした違和感があるのだろうと言われた。俺の症状の治療成功確率はデータを見ると50%くらいらしい。定期検診に通っている担当医も難しいと言っていたし、比較的すんなり聞くことが出来た。

治療方針は3つ提示された。
1つ目、根の治療を普通にする

2つ目、歯茎を切開して根の治療をする

3つ目、治療をしない

1つ目の治療法がベストのように思えるが、これのデメリットは、成功率が50%なので失敗した時は、2つ目の歯茎を切開した治療を行わないといけなくなるため、二度の治療が必要になること。

2つ目の治療法のメリットは一度の治療で完結できること。

そして3つ目は、今までの歯科医と俺自身が選択してきた「放置」だ。違和感程度なら放置する選択肢は「なくはない」と担当医は言った。しかし、おそらく将来悪くなるから、治療した方がいいという事だった。

俺は1の方法を決断した。そして、天然の歯をなるべく残して欲しいと明確に意思表示をした。

担当医は「精密検査はしたが、やはり歯の中身を直接見ないとどのような状況かわからないので、歯が残せるかどうかは保証できない」と言った。だけれども、担当医はなるべく天然の歯を残す努力をするとも言ってくれた。

担当医の話しぶりや、明確な説明、人柄など、短時間の付き合いで情報が少なすぎる不安はぬぐえないが、俺は彼が一流のプロであると見込みすべてを任せる事に決めた。後はプロとして優秀かどうかの1つの基準として俺は予約の取りづらさを参考にしている。すぐに予約が取れる人間は世の中に求められていない可能性が高い。ちなみに担当医は予約で埋まっていた。一ヶ月半後の指定日の指定時間でしか予約が取れなかった。

最後に、最も最悪な場合と上手くいった場合はどうなるのかを質問した。
一番最悪の場合は歯が無くなる。一番上手くいった時は根の治療をして、コンポジットレジン(白い詰め物)をするだけで終わるとの事だ。

あとは担当医と神様にすべてを任せる。俺自身、治療法を自分で研究したり、腕のいい歯科医を探したりと、自分で出来る事はすべてやった。

「歯がない人」と「自分」

世の中には俺と同年代でも歯がない人が多数いる。年上なら尚更だ。特に男性の歯に対する無頓着さには呆れる。日本人は髭を剃れとうるさいが、そんなことより、歯をどうにかしろと俺はいつも思う。そして、そういう人達を見ていると何とも言えない不思議な感覚に包まれてくる。

俺は人生で一度だけ虫歯になったことがある。神経を抜くほどでも無かったが、もう大騒ぎ。人生の絶望といった感じだ。

俺はその時に「二度と人生で虫歯になるまい」と誓い、虫歯の研究を自分でした。その結果、あれから7年ほど経過して、ほぼ毎日甘い物を食べているが、虫歯は0である。

しかし、世の中は「神経抜いちゃったよー」などと「へらへら」している人が多い事に驚く。俺にはまったく理解が出来ない。虫歯になれば歯医者に行くことを自慢している人を見かけるが、そんなことは当たり前である。どうすれば歯を健康に保てるのかを日々意識して暮らしていかなければいけない。

そして、そのような人達の一方で、言い方が悪いが、前歯1本程度で、大学病院に紹介状を出してもらい、担当医と治療方法を納得できるまで話し合って、治療をする自分がいる。俺も歯が2、3本なくなれば、彼らのような境地にたどり着けるのだろうか。

余談

あと余談ではあるが、診察時、最初は研修医が診察をしてくれたのだが、その時に「とても歯が綺麗ですね。前歯は確かに折れているし、治療済みの歯も1本有りますが、なかなかのもんですよ」と褒められたのがうれしかった。この、人に褒められる歯を少しでも長い間維持できるように、できる限りの努力をしたい。