TV感想 BS世界のドキュメンタリー「めざせ!人気ユーチューバー」

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番組名 BS世界のドキュメンタリー「めざせ!人気ユーチューバー」
原題 100 Million Views
制作 Yes Docu / ZDF (イスラエル/ドイツ 2019年)
©Itamar Rose,Yes Docu / ZDF(イスラエル/ドイツ 2019年),NHK
視聴日 2019年11月3日


©Itamar Rose,Yes Docu / ZDF(イスラエル/ドイツ 2019年),NHK

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あらすじ

人気者になりたいイスラエル人youtuberイタマル・ローズ。彼は日頃、政治を風刺する動画を作っているが誰にも見てもらえないので、どうすれば多くの人に見てもらえるかを知るため、多くの人気youtuberに会いに行く。

しかし、彼は、数多くの成功したyoutuberと接触しているうちにyoutubeに対して不信感を募らせていくことになる。

理由は、youtube自身が打ち出したコンセプト「自由に発言できる舞台youtube」が「金儲けのための広告塔」に変わってきてしまっているためだ。スポンサーのご機嫌伺いを優先させるyoutubeはスポンサーが嫌がる、性的マイノリティー、戦争、テロ、政治、宗教などのトピックに関する動画の広告を外し始めた。結果、多くのyoutubeで生計を立てていたyoutuberは収入を失い、youtubeに人生を翻弄させられることになる。

そのような現状をyoutubeに関わる様々な立場の人々を通して浮き彫りにし、風刺的な表現を用いて描かれている。

感想

アルゴリズムを意識して動画を作る若き海外youtuber

この動画で描かれていることが真実だったら、思った以上に海外のyoutuberはアルゴリズムを意識して動画制作をしているように感じた。ティーンの少年少女が大人顔負けの口調でアルゴリズムを前提に動画を制作していることに驚いた。

©Itamar Rose,Yes Docu / ZDF(イスラエル/ドイツ 2019年),NHK

日本の場合、顔出しをしてないない、どちらかというと我々youtube視聴者にとって迷惑な動画を量産し、広告料金を不正に稼ぐハイエナのような連中(ネットスラングで言うアフィカス)がアルゴリズムに狂信していて、顔を出しているいわゆるyoutuberはそこまで考えていない印象だ。一部のgoogleと懇意にしているだろう人気youtuber達を除き、日本のyoutuber達は「みんながやっているから」「再生数がとれるから」くらいしか考えていないように感じる。アルゴリズムという言葉自体知らない人がほとんどだろう。

youtubeが嫌ならほかでやれ

この番組の後半はyoutubeがスポンサーの嫌がる動画には広告を出さないことに不満を持つ人達のインタビューやそれを起因とした事件を中心に描かれている。広告を外された人達は口を揃えて「自分達の表現が規制された」「言論統制だ」と言っているが、見ていてとても違和感を感じだ。

youtubeは広告の規制は行っているが、番組で紹介されたyoutuberの動画を削除はしていない(番組内では戦争やテロの映像が削除されたという批判はあったが、かなり限定的だ)。

©Itamar Rose,Yes Docu / ZDF(イスラエル/ドイツ 2019年),NHK

よって、少なくとも表現活動自体は規制されていないのではないか。そもそもyoutubeは金を稼げない場所だったはずだ。大きなプラットフォームを無料で利用できるだけでもありがたいと思ってしまう側の人間としては、彼らが非情に甘えた発想を持っているように思える。

もしも文句があるなら、youtubeから飛び出て自分でサーバーを借りるなりして、自分自身で広告主を探してきたら済む話だ。そして政治や宗教の動画で好きなだけお金を稼げばいい。

youtubeが動画サイトとして快適なのはお金をたくさんかけて作られているからだ。便利なことにはお金がかかる。なので、お金に対する不誠実な態度にはある程度目をつぶるべきだろう。youtubeが厳格に正義を敢行した結果、今のように快適に動画サイト自体が使えなくなったら、それこそ本末転倒ではないだろうか。

勘違いして欲しくないのは、聞き分けのいい大人になれと言っているわけではない、権力や常識と戦おうとしている人間が、権力の私的なプラットフォームに甘えきっている精神が気に入らないのだ。これがまだ公的な財産、例えば公共の施設で追い出されたとなれば、それは思う存分文句を言えばいいと思う。しかし、youtubeはあくまで一つの企業に過ぎない。営利団体の権化のようなgoogleに正義を求めてもそれは無駄だろう。

最後に

youtubeが強大すぎるから、多くの人が思いつきに振り回される。「youtubeのライバル企業が現れない限り利用者を大事に扱って貰うのは不可能だろう」、という至極単純な結論に着地する。

そこで、この番組を見た感想をまとめると「ドワンゴがんばれよ」だ。

 

 

映像視聴 45分
執筆時間 1時間45分
合計 2時間30分